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デジタルスキル標準は「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つの標準で構成されます。「DXリテラシー標準」は、すべてのビジネスパーソンに向けた指針およびそれに応じた学習項目例を定義しています。「DX推進スキル標準」は、DXを推進する人材の役割(ロール)および必要なスキルを定義しています。

図85. デジタルスキル標準の構成
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成
| 詳細理解のため参考となる文献(参考文献) | |
| デジタルスキル標準 | https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html |
| デジタルスキル標準ver.1.2(PDF) | https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/ps6vr700000083ki-att/000106872.pdf |
「DXリテラシー標準」は、すべてのビジネスパーソンが身につけるべきデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する基礎的な知識、スキル、マインドセットの学習指針です。企業は、従業員に対して、DXに関するリテラシーを身につけさせるための指針として活用できます。
DXリテラシー標準は、特定の産業や職種、部署などに依存しない汎用性を重視して作成されています。そのため、企業や組織がこれを適用する際には、自身が属する産業や事業の方向性に合わせる必要があります。

DXリテラシー標準は、「標準策定のねらい」「マインド・スタンス」「Why(DXの背景)」「What(DXで活用されるデータ・技術)」「How(データ・技術の利活用方法)」で構成されています。
急速に普及する生成AIは、各企業におけるDXの進展を加速させると考えられ、企業の競争力を向上させる可能性があります。あわせて、ビジネスパーソンに求められるスキルも変化し、より重要になる部分もあると想定されます。DXリテラシー標準は上記の状況に対応するため、令和5年8月に改訂されました。改訂箇所は、下記の図の太文字と下線で示した箇所です。

図86. DXリテラシー標準の全体像
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成

図87. DXリテラシー標準の項目一覧
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成
| One Point |
| DXリテラシー標準の学習方法
IPAが運営する「マナビDX」という、すべての社会人にとって必須であるデジタルスキルを学べるコンテンツを紹介しているポータルサイトがあります。このポータルサイトでは、DXリテラシー標準の各項目ごとに学習できる講座が掲載されており、DXリテラシーを学ぶことができます。 |
| 詳細理解のため参考となる文献(参考文献) | |
| マナビDX | https://manabi-dx.ipa.go.jp/ |
学習のゴール
社会変化の中で新たな価値を生み出すために必要なマインド・スタンスを知り、自身の行動を振り返ることができること。
項目の内容・学習項目
| 項目 | 内容 | 学習項目例 |
| 変化への適応 | ⚫︎ 環境や仕事・働き方の変化を受け入れ、適応するために自ら主体的に学んでいる
⚫︎ 自身や組織が持つ既存の価値観について尊重すべき点を認識しつつ、環境変化に応じた新たな価値観、行動様式、知識、スキルを身につけている |
⚫︎ 各自が置かれた環境において目指すべき、具体的な行動や影響例など |
| コラボレーション | ⚫︎ 価値創造のためには、さまざまな専門性を持った人と社内・社外問わずに協働することが重要であることを理解し、多様性を尊重している | |
| 顧客・ユーザーへの共感 | ⚫︎ 顧客・ユーザーに寄り添い、顧客・ユーザーの立場に立ってニーズや課題を発見しようとしている | |
| 常識にとらわれない発想 | ⚫︎ 顧客・ユーザーのニーズや課題に対応するためのアイデアを、既存の概念・価値観にとらわれずに考えている
⚫︎ 従来の物事の進め方について理由を自ら問い、より良い進め方がないか考えている |
|
| 反復的なアプローチ | ⚫︎ 新しい取組や改善を、失敗を許容できる範囲の小さいサイクルで行い、顧客・ユーザーのフィードバックを得て反復的に改善している
⚫︎ 失敗したとしてもその都度軌道修正し、学びを得ることができれば「成果」であると認識している |
|
| 柔軟な意思決定 | ⚫︎ 既存の価値観に基づく判断が難しい状況においても、価値創造に向けて必要であれば、臨機応変に意思決定を行っている | |
| 事実に基づく判断 | ⚫︎ 勘や経験のみではなく、客観的な事実やデータに基づいて、物事を見たり、判断したりしている
⚫︎ 適切なデータを用いることにより、事実やデータに基づく判断が有効になることを理解し、適切なデータの入力を意識して行っている |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成
学習のゴール
人々が重視する価値や社会・経済の環境がどのように変化しているか知っており、DXの重要性を理解している
項目の内容・学習項目例
| 項目 | 内容 | 学習項目例 |
| 社会の変化 | ⚫︎ 世界や日本社会に起きている変化を理解し、変化の中で人々の暮らしをよりよくし、社会課題を解決するためにデータやデジタル技術の活用が有用であることを知っている | ⚫︎ メガトレンド・社会課題とデジタルによる解決(SDGsなど)
⚫︎ 日本と海外におけるDXの取組の差、社会・産業の変化に関するキーワード(Society5.0、データ駆動型社会など) |
| 顧客価値の変化 | ⚫︎ 顧客価値の概念を理解し、顧客・ユーザーがデジタル技術の発展によりどのように変わってきたか(情報や製品・サービスへのアクセスの多様化、人それぞれのニーズを満たすことへの欲求の高まり)を知っている | ⚫︎ 顧客・ユーザーの行動変化と変化への対応
⚫︎ 顧客・ユーザーを取り巻くデジタルサービス |
| 競争環境の変化 | ⚫︎ データ・デジタル技術の進展や、社会・顧客の変化によって、既存ビジネスにおける競争力の源泉が変わったり、従来の業種や国境の垣根を超えたビジネスが広がったりしていることを知っている | ⚫︎ デジタル技術の活用による競争環境変化の具体的事例 |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成
学習のゴール
DX推進の手段としてのデータやデジタル技術に関する最新の情報を知った上で、その発展の背景への知識を深めることができる
項目の内容・学習項目例
| 項目 | 内容 | 学習項目例 |
| (データ)
社会におけるデータ |
⚫︎ 「データ」には数値に加えて、文字・画像・音声などさまざまな種類があることや、それらがどのように蓄積され、社会で活用されているか知っている | ⚫︎ データの種類
⚫︎ 社会におけるデータ活用 |
| (データ)
データを読む・説明する |
⚫︎ データの分析手法や結果の読み取り方を理解している
⚫︎ データの分析結果の意味合いを見抜き、分析の目的や受け取り手に応じて、適切に説明する方法を理解している |
⚫︎ データの分析手法(基礎的な確率・統計の知識)
⚫︎ データを読む(比較方法・重複など) ⚫︎ データを説明する(可視化・分析結果の言語化) |
| (データ)
データを扱う |
⚫︎ デジタル技術・サービスに活用しやすいデータの入力や整備の手法を理解している
⚫︎ データ利用には、データ抽出・加工に関するさまざまな手法やデータベースなどの技術が欠かせない場面があることを理解している |
⚫︎ データの入力
⚫︎ データの抽出・加工(クレンジング・集計など) ⚫︎ データの出力 ⚫︎ データベース(データベースの種類、構造など) |
| (データ)
データによって判断する |
⚫︎ 業務・事業の構造、分析の目的を理解し、データを分析・利用するためのアプローチを知っている
⚫︎ 期待していた結果とは異なる分析結果が出たとしても、それ自体が重要な知見となることを理解している ⚫︎ 分析の結果から、経営や業務に対する改善のアクションを見出し、アクションの結果どうなったかモニタリングする手法を理解している ⚫︎ 適切なデータを用いることで、データに基づく判断が有効となることを理解している |
⚫︎ データドリブンな判断プロセス
⚫︎ 分析アプローチ設計 ⚫︎ モニタリングの手法 |
| (デジタル技術)
AI |
⚫︎ AIが生まれた背景や、急速に広まった理由を知っている
⚫︎ AIの仕組みを理解し、AIができること、できないことを知っている ⚫︎ AI活用の可能性を理解し、精度を高めるためのポイントを知っている ⚫︎ 組織/社会でよく使われているAIの動向を知っている |
⚫︎ AIの歴史
⚫︎ AIを作るための手法・技術 ⚫︎ AIの得意分野・限界 ⚫︎ 人間中心のAI社会原則、ELSI ⚫︎ 最新の技術動向(生成AIなど) |
| (デジタル技術)
クラウド |
⚫︎ クラウドの仕組みを理解し、クラウドとオンプレミスの違いを知っている
⚫︎ クラウドサービスの提供形態を知っている |
⚫︎ クラウドの仕組み(データの持ち方、データを守る仕組み)
⚫︎ クラウドサービスの提供形態(SaaS、IaaS、PaaSなど) ⚫︎ 最新の技術動向 |
| (デジタル技術)
ハードウェア・ソフトウェア |
⚫︎ コンピュータやスマートフォンなどが動作する仕組みを知っている
⚫︎ 社内システムなどがどのように作られているかを知っている |
⚫︎ ハードウェア(ハードウェアの構成要素、コンピュータの種類)
⚫︎ ソフトウェア(ソフトウェアの種類、プログラミング的思考) ⚫︎ 企業における開発・運用 ⚫︎ 最新の技術動向 |
| (デジタル技術)
ネットワーク |
⚫︎ ネットワークの基礎的な仕組みを知っている
⚫︎ インターネットの仕組みや代表的なインターネットサービスを知っている |
⚫︎ ネットワークの仕組み(LAN・WAN、通信プロトコル)
⚫︎ インターネットサービス(電子メール) ⚫︎ 最新の技術動向 |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成
学習のゴール
データ・デジタル技術の活用事例を理解し、その実現のための基本的なツールの利用方法を身につけた上で、留意点などを踏まえて実際に業務で利用できる
項目の内容・学習項目例
| 項目 | 内容 | 学習項目例 |
| (活用事例・利用方法)
データ・デジタル技術の活用事例 |
⚫︎ ビジネスにおけるデータ・デジタル技術の活用事例を知っている
⚫︎ データ・デジタル技術がさまざまな業務で利用できることを理解し、自身の業務への適用場面を想像できる |
⚫︎ 事業活動におけるデータ・デジタル技術の活用事例
⚫︎ 生成AIの利用事例 |
| (活用事例・利用方法)
ツール利用 |
⚫︎ ツールの利用方法に関する知識を持ち、日々の業務において、状況に合わせて適切なツールを選択できる | ⚫︎ 日常業務に関するツールの利用方法
⚫︎ 生成AIの利用方法 ⚫︎ 自動化・効率化に関するデジタルツールの利用方法 |
| (留意点)
セキュリティ |
⚫︎ セキュリティ技術の仕組みと個人が取るべき対策に関する知識を持ち、安心してデータやデジタル技術を利用できる | ⚫︎ セキュリティの3要素
⚫︎ セキュリティ技術 ⚫︎ 個人が取るべきセキュリティ対策 |
| (留意点)
モラル |
⚫︎ 個人がインターネット上で自由に情報のやり取りができる時代において求められるモラルを持ち、インターネット上で適切にコミュニケーションできる
⚫︎ 捏造、改ざん、盗用などのデータ分析における禁止事項を知り、適切にデータを利用できる ⚫︎ データ流出の危険性や影響を想像できる |
⚫︎ ネット被害・SNS・生成AIなどのトラブルの事例・対策
⚫︎ データ利用における禁止事項・留意事項 |
| (留意点) | ⚫︎ プライバシー、知的財産権、著作権の示すものや、その保護のための法律、諸外国におけるデータ規制などについて知っている
⚫︎ 実際の業務でデータや技術を利用するときに、自身の業務が法規制や利用規約に照らして問題ないか確認できる |
⚫︎ 個人情報の定義と個人情報に関する法律・留意事項
⚫︎ 著作権・産業財産権・その他の権利が保護する対象 ⚫︎ 諸外国におけるデータ規制 ⚫︎ サービス利用規約を踏まえたデータの利用範囲 |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver.1.2」をもとに作成
DX推進スキル標準は、人材の種類ごとに必要なスキルの重要度をまとめたものです。人材の種類は、5つの人材類型(ビジネスアーキテクト/デザイナー/データサイエンティスト/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ)と、その下位区分である15のロールに区分されています。一方のスキルは、DXを推進する人材に求められる約50のスキルが5つのカテゴリ・12のサブカテゴリに分けられています。このスキルの体系は、すべての人材類型・ロールに共通のものになっており、「共通スキルリスト」と呼ばれています。

図88. DX推進スキル標準の構成
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver1.2」をもとに作成
※5種類の人材類型のうち「サイバーセキュリティ」のみが、人称ではなく対象分野名となっています。
各人材類型のロールと、DX推進において担う責任は以下の通りです。

図89. 人材類型の定義
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver1.2」をもとに作成
| 人材類型 | ロール | DX推進において担う責任 |
| ビジネス
アーキテクト |
ビジネスアーキテクト
(新規事業開発) |
新しい事業、製品・サービスの目的を見出し、新しく定義した目的の実現方法を策定した上で、関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する |
| ビジネスアーキテクト
(既存事業の高度化) |
既存の事業、製品・サービスの目的を見直し、再定義した目的の実現方法を策定した上で、関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する | |
| ビジネスアーキテクト
(社内業務の高度化・効率化) |
社内業務の課題解決の目的を定義し、その目的の実現方法を策定した上で関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する | |
| デザイナー | サービスデザイナー | 社会、顧客・ユーザー、製品・サービス提供における社内外関係者の課題や行動から顧客価値を定義し製品・サービスの方針(コンセプト)を策定するとともに、それを継続的に実現するための仕組みのデザインを行う |
| UX/UIデザイナー | バリュープロポジションに基づき製品・サービスの顧客・ユーザー体験を設計し、製品・サービスの情報設計や、機能、情報の配置、外観、動的要素のデザインを行う | |
| グラフィックデザイナー | ブランドのイメージを具現化し、ブランドとして統一感のあるデジタルグラフィック、マーケティング媒体などのデザインを行う | |
| データサイエンティスト | データビジネスストラテジスト | 事業戦略に沿ったデータの活用戦略を考えるとともに、戦略の具体化や実現を主導し、顧客価値を拡大する業務変革やビジネス創出を実現する |
| データサイエンスプロフェッショナル | データの処理や解析を通じて、顧客価値を拡大する業務の変革やビジネスの創出につながる有意義な知見を導出する | |
| データエンジニア | 効果的なデータ分析環境の設計・実装・運用を通じて、顧客価値を拡大する業務変革やビジネス創出を実現する | |
| ソフトウェアエンジニア | フロントエンドエンジニア | デジタル技術を活用したサービスを提供するためのソフトウェアの機能のうち、主にインターフェース(クライアントサイド)の機能の実現に主たる責任を持つ |
| バックエンドエンジニア | デジタル技術を活用したサービスを提供するためのソフトウェアの機能のうち、主にサーバーサイドの機能の実現に主たる責任を持つ | |
| クラウドエンジニア/SRE | デジタル技術を活用したサービスを提供するためのソフトウェアの開発・運用環境の最適化と信頼性の向上に責任を持つ | |
| フィジカルコンピューティングエンジニア | デジタル技術を活用したサービスを提供するためのソフトウェアの実現において、現実世界(物理領域)のデジタル化を担い、デバイスを含めたソフトウェア機能の実現に責任を持つ | |
| サイバー
セキュリティ |
サイバーセキュリティマネージャー | 顧客価値を拡大するビジネスの企画立案に際して、デジタル活用に伴うサイバーセキュリティリスクを検討・評価するとともに、その影響を抑制するための対策の管理・統制の主導を通じて、顧客価値の高いビジネスへの信頼感向上に貢献する |
| サイバーセキュリティエンジニア | 事業実施に伴うデジタル活用関連のサイバーセキュリティリスクを抑制するための対策の導入・保守・運用を通じて、顧客価値の高いビジネスの安定的な提供に貢献する |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver1.2」をもとに作成
共通スキルリストの全体像
全人材類型に共通する「共通スキルリスト」は、DXを推進する人材に求められるスキルを5つのカテゴリ・12のサブカテゴリで整理しています。
各カテゴリは2つか3つのサブカテゴリに分け、1つ目では主要な活動を、2つ目以降ではそれを支える要素技術と手法を、大くくりに整理しています。
| カテゴリ | サブカテゴリ | スキル項目 |
| ビジネス変革 | 戦略・マネジメント・システム | ビジネス戦略策定・実行 |
| プロダクトマネジメント | ||
| 変革マネジメント | ||
| システムズエンジニアリング | ||
| エンタープライズアーキテクチャ | ||
| プロジェクトマネジメント | ||
| ビジネス・モデル・プロセス | ビジネス調査 | |
| ビジネスモデル設計 | ||
| ビジネスアナリシス | ||
| 検証(ビジネス視点) | ||
| マーケティング | ||
| ブランディング | ||
| デザイン | 顧客・ユーザー理解 | |
| 価値発見・定義 | ||
| 設計 | ||
| 検証(顧客・ユーザー視点) | ||
| そのほかデザイン技術 | ||
| データ活用 | データ・AIの戦略的活用 | データ理解・活用 |
| データ・AI活用戦略 | ||
| データ・AI活用業務の設計・事業実装・評価 | ||
| AI・データサイエンス | 数理統計・多変量解析・データ可視化 | |
| 機械学習・深層学習 | ||
| データエンジニアリング | データ活用基盤設計 | |
| データ活用基盤実装・運用 | ||
| テクノロジー | ソフトウェア開発 | コンピュータサイエンス |
| チーム開発 | ||
| ソフトウェア設計手法 | ||
| ソフトウェア開発プロセス | ||
| Webアプリケーション基本技術 | ||
| フロントエンドシステム開発 | ||
| クラウドインフラ活用 | ||
| SREプロセス | ||
| サービス活用 | ||
| デジタルテクノロジー | フィジカルコンピューティング | |
| そのほか先端技術 | ||
| テクノロジートレンド | ||
| セキュリティ | セキュリティマネジメント | セキュリティ体制構築・運営 |
| セキュリティマネジメント | ||
| インシデント対応と事業継続 | ||
| プライバシー保護 | ||
| セキュリティ技術 | セキュア設計・開発・構築 | |
| セキュリティ運用・保守・監視 | ||
| パーソナルスキル | ヒューマンスキル | リーダーシップ |
| コラボレーション | ||
| コンセプチュアルスキル | ゴール設定 | |
| 創造的な問題解決 | ||
| 批判的思考 | ||
| 適応力 |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver1.2」をもとに作成
例として、セキュリティカテゴリの詳細を説明します。
| カテゴリ | サブカテゴリ | スキル項目 | 内容 | 学習項目例 |
| セキュリティ | セキュリティマネジメント | セキュリティ体制構築・運営 | ⚫︎ セキュリティ対策を実施する体制の構築とその維持運営(要員の確保・育成を含む)を円滑に行うためのスキル
⚫︎ 組織としてのセキュリティカルチャーを企業内で醸成する活動を行うためのスキル |
⚫︎ セキュリティ対応組織(セキュリティ統括機能、SOC、xSIRTなど)との連携手順
⚫︎ サービスや機器のセキュリティ対策に関する組織内の役割と責任の明確化 ⚫︎ 組織におけるセキュリティカルチャーの醸成方法 |
| セキュリティマネジメント | ⚫︎ 情報、サイバー空間、OT/IoT環境などのセキュリティマネジメントのプロセスを組織として適切に実施するためのスキル | ⚫︎ セキュリティ関連法制度
⚫︎ ポリシー、規程、マニュアルなどの整備 ⚫︎ 脅威インテリジェンスの活用を含むリスクの認知 ⚫︎ リスクアセスメント手法 ⚫︎ セキュリティ要件定義、機能要件としてのセキュリティ機能 ⚫︎ 認証方式の種類・特徴と選定方法 ⚫︎ 情報資産管理、構成管理 ⚫︎ セキュリティ教育・トレーニングと資格・認証制度 ⚫︎ 情報セキュリティ監査の手法 |
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| インシデント対応と事業継続 | ⚫︎ 各種リスク(サイバー攻撃、過失、内部不正、災害、障害など)がデジタル利活用におけるセキュリティインシデントとして顕在化した際の影響を抑制し、事業継続を可能とするためのスキル | ⚫︎ デジタル利活用における事業継続
⚫︎ 事業継続計画の整備と訓練 ⚫︎ インシデント対応と危機管理の連携手順 ⚫︎ 日常および緊急時の情報共有とコミュニケーション |
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| プライバシー保護 | ⚫︎ パーソナルデータ等のプライバシー情報の保護に求められる要件の理解とその実践に関するスキル | ⚫︎ セキュアシステム設計の概要と実践方法
⚫︎ DevSecOpsの考え方と実践方法 ⚫︎ セキュリティ要件およびセキュリティ機能の実現・実装 ⚫︎ IT/OT/IoTデバイスにおけるセキュリティ対策 ⚫︎ クラウドサービスおよびネットワーク機器のセキュリティ機能の概要と設定 ⚫︎ 脆弱性の概念と対策・診断方法 |
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| セキュリティ技術 | セキュア設計・開発・構築 | ⚫︎ デジタルサービス・製品の企画設計を行う際に、サイバー攻撃や各種不正の影響を受けにくくするために遵守すべき基準や要件をもとに設計・開発・構築を行うスキル
⚫︎ デジタルサービス・製品の脆弱性について理解し、診断を適切に実践(委託による実施を含む)するためのスキル |
⚫︎ セキュアシステム設計の概要と実践方法
⚫︎ DevSecOpsの考え方と実践方法 ⚫︎ セキュリティ要件およびセキュリティ機能の実現・実装 ⚫︎ IT/OT/IoTデバイスにおけるセキュリティ対策 ⚫︎ クラウドサービスおよびネットワーク機器のセキュリティ機能の概要と設定 ⚫︎ 脆弱性の概念と対策・診断方法 |
|
| セキュリティ運用・保守・監視 | ⚫︎ デジタルサービスをセキュアに運用するための保守と対策を適切に実践するためのスキル
⚫︎ セキュリティに関する監視とインシデントの原因究明などを適切に実践するためのスキル |
⚫︎ 脅威情報や脆弱性情報の活用
⚫︎ モニタリングの方法と観測データの活用 ⚫︎ 運用・監視業務へのAI応用 ⚫︎ インシデント時の影響調査、トリアージ方法 ⚫︎ デジタルフォレンジックサービスの活用 |
(出典) IPA「デジタルスキル標準ver1.2」をもとに作成
DXを推進するには、新たに登場するデジタル技術がもたらす変化を捉え、それに対応していくことが重要です。ここでは、生成AIを例にして、DXを推進する人材に求められる新技術への向き合い方、行動の起こし方などを説明します。
急速に進歩・普及する生成AIは、各企業におけるDXを加速すると考えられ、企業の競争力に大きな影響を与える可能性があります。生成AIの活用によって、新規事業の開発、知的労働や知的労働を伴う肉体労働の生産性向上などが期待できる一方、生成AI活用による権利侵害・情報漏えい、倫理的な問題などが発生しないよう十分に注意を払う必要があります。

図90. 生成AIに関するDX推進スキル標準
(出典) IPA「生成AIに関するDX推進スキル標準の改訂 要旨(2024年7月)」をもとに作成