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i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)は、組織においてITを利活用するビジネスに求められる業務(タスク)と、それを支えるIT人材の能力や素養(スキル)を「タスクディクショナリ」、「スキルディクショナリ」として体系化したものです。具体的には、タスクとスキルをそれぞれ辞書のように参照できる形で構成立ててまとめています。i コンピテンシ ディクショナリを辞書として使用することで、従業員は、自身の業務に必要なスキルを把握できます。組織は目的に応じた人材育成や業務改善・効率化に活かすことができます。
i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)に関する重要なポイント
i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)において、重要なことは考え方です。タスクやスキルについては、デジタルスキル標準を参照することが大切です。
i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)は、網羅的なタスク、スキル、知識の「辞書」として今後も有用ではありますが、デジタルスキル標準(DSS)と重複する部分が多く、デジタルスキル標準(DSS)の方が最新情報であるためです。
i コンピテンシ ディクショナリは、企業、組織およびIT技術者が、人材育成やスキル向上に関わる施策を効率的に立案・推進し、成果を上げるための道具として有用です。
i コンピテンシ ディクショナリは、「タスクディクショナリ」と「スキルディクショナリ」で構成されています。仕事やスキルを構造的に表現して、必要に応じて取捨選択することで、企業や組織のあるべき姿や人材育成のための施策を、根拠を持って効率的に推進できます。
業務遂行における各ディクショナリの働きと関係は以下の通りです。

図94. 業務遂行とディクショナリの働きの関係
(出典) IPA「i コンピテンシ ディクショナリ解説書」をもとに作成
タスクディクショナリの広範囲で網羅的なタスク群を参照し、自社・自組織のビジネスモデル、 経営戦略や事業計画、および現状の業務に基づいて取捨選択することで、あるべき自社・自組織の タスクを定められます。
タスクを定めることにより、どのような能力を持つ人材がどのくらい必要かを明らかにでき、現 状とのギャップも明確となり、効果的な人材育成施策を立案・実施することができます。また、組 織の最適化や人員の最適配置など、人材育成に留まらない活用が可能です。
タスクディクショナリには、「タスクディクショナリ構成図」、「タスクプロフィール」が含まれ ており、自タスクを策定する際の参考情報として利用することを想定しています。
タスクディクショナリを構成する各コンテンツの関係は以下の通りです。

図95. 業務遂行とディクショナリの働きの関係
(出典) IPA「i コンピテンシ ディクショナリ解説書」をもとに作成
スキルディクショナリは、IT 技術者個人が、スキルディクショナリからスキル項目を選択して、 現状把握やスキル向上目標を設定するために利用できます。
タスクディクショナリとの連係情報を利用して、そのスキルが、どのタスクの遂行に有効なのか を判断する使い方もできます。

図 96. スキルディクショナリの構成
(出典) IPA「i コンピテンシディクショナリ解説書」をもとに作成
各項目の詳細は以下の通りです。
| システム(基礎、構築、利用) |
| ⚫︎ ソフトウェア技術
⚫︎ データベース技術 ⚫︎ ハードウェア技術 ⚫︎ Webシステム技術 ⚫︎ プラットフォーム技術 ⚫︎ ネットワーク技術 |
| 保守・運用 |
| ⚫︎ ITサービスマネジメント業務管理技術
⚫︎ ITサービスオペレーション技術 ⚫︎ システム保守・運用・評価 ⚫︎ 障害修理技術 ⚫︎ 施工実務技術 ⚫︎ ファシリティ設計技術 ⚫︎ サポートセンター基盤技術 |
| 組込み・計測・制御 |
| ⚫︎ 組込み技術(基礎、構築、利用)
⚫︎ デジタル技術 ⚫︎ ヒューマンインターフェース技術 ⚫︎ マルチメディア技術 ⚫︎ グラフィック技術 ⚫︎ 計測・制御技術 |
| 開発 |
| ⚫︎ システムアーキテクティング技術
⚫︎ システム開発管理技術 |
| 非機能要件 |
| ⚫︎ 非機能要件(可用性、性能・拡張性)
⚫︎ セキュリティ技術(基礎、構築、利用) |
| 共通技術 |
| ⚫︎ IT基礎
⚫︎ ナレッジマネジメント技術 |
| 戦略 |
| ⚫︎ 市場機会の評価と選定
⚫︎ マーケティング ⚫︎ 製品・サービス戦略 ⚫︎ 販売戦略 ⚫︎ 製品・サービス開発戦略 ⚫︎ システム戦略⽴案手法 ⚫︎ コンサルティング手法 ⚫︎ 業務動向把握手法 |
| 企画 |
| ⚫︎ システム企画⽴案手法
⚫︎ セールス事務管理手法 ⚫︎ 要求分析手法 ⚫︎ 非機能要件設計手法 |
| 実装 |
| ⚫︎ アーキテクチャ設計手法
⚫︎ ソフトウェアエンジニアリング手法 ⚫︎ カスタマーサービス手法 ⚫︎ 業務パッケージ活用手法 ⚫︎ データマイニング手法 ⚫︎ ⾒積り手法 ⚫︎ プロジェクトマネジメント手法 |
| 利活用 |
| ⚫︎ サービスマネジメント
⚫︎ サービスの設計・移⾏ ⚫︎ サービスマネジメントプロセス ⚫︎ サービスの運用 |
| 支援活動 |
| ⚫︎ 品質マネジメント手法
⚫︎ リスクマネジメント手法 ⚫︎ ITガバナンス ⚫︎ 資産管理手法 ⚫︎ ファシリティマネジメント手法 ⚫︎ 事業継続計画 ⚫︎ システム監査手法 ⚫︎ 標準化・再利用手法 ⚫︎ 人材育成・教育・研修 ⚫︎ 情報セキュリティ |
(出典) IPA「i コンピテンシディクショナリ解説書」をもとに作成
i コンピテンシディクショナリは、以下の 3 種類の活用形態を利用対象者別に想定しています。
⚫ 企業・組織での利活用
⚫ 個人での利活用
⚫ 学校等教育機関での利活用

図 97. i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)の利活用形態
(出典) IPA「i コンピテンシディクショナリ解説書」をもとに作成